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全国大学等遺伝子研究支援施設連絡協議会 組換え生物等委員会 通信 No.73

 
本通信は、大学遺伝子協会員の所属機関の遺伝子組換え実験安全管理関係者に配信しております。)

各位

いつも遺伝子組換え生物等の使用における安全管理にご協力いただき有難うございます。

文科省の公表から時間が経っておりますが、
大臣確認実験の様式が変わったこと(今年の5月8日)。
https://www.lifescience.mext.go.jp/files/pdf/n901_00.doc
 
大臣確認実験(承認後)に関する軽微な変更の書式ができたこと
https://www.lifescience.mext.go.jp/files/doc/houkoku_youshiki.docx
を、確認としてアナウンスしておきます。
 
これに関連して 注意喚起を1点。
AddgeneからSARS-Cov-2の遺伝子(様々なプラスミドにクローニングされたもの)が簡単に入手できる状況になっています。
例えば https://www.addgene.org/152126/
これが、大腸菌スタブの状態で届けば、カルタヘナ法(大臣確認の承認)が必須要件となります。また、外国とのモノのやり取りなので、MTAに証拠は残りますから、うやむやにはできなくなります。十分にご注意ください。
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大学遺伝子協・生物委員


全国大学等遺伝子研究支援施設連絡協議会
組換え生物等委員会 通信 No.73(追記)

(本通信は、大学遺伝子協会員の所属機関の遺伝子組換え実験安全管理関係者に配信しております。)

各位

先の 組換え生物等委員会 通信 No.73 の注意喚起で言葉が足りない所がありました。

認識の共有のため、追記させていただきます。
 
Addgene等からplasmidを購入する場合、
それがDNAの形状で輸送されれば、カルタヘナ法の範疇には入りません。
 
ただし、Addgene等では、bacteriaのagar stabの状態で送られてくることがあります。
(Standard format: Plasmid sent in bacteria as agar stab)
 
この場合は、知らない間に組換え実験に片足を突っ込んだ形になります。
アメリカはカルタヘナ法に批准していませんから、情報提供等の通知義務はありません。
そういうケースもあるということを伝えて、注意していただきたかったというのが本音です。
 
輸送内容や輸送先のミスも含めて、輸送というプロセスを伴うケースでは事故が付き物と考え、十分注意していただければと思います。
 
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組換え生物等委員会 委員長
井原


全国大学等遺伝子研究支援施設連絡協議会
組換え生物等委員会 通信 No.73 追記その2

(本通信は、大学遺伝子協会員の所属機関の遺伝子組換え実験安全管理関係者に配信しております。)

各位

 
組換え生物等委員会 通信 No.73に関する2回めの追記です。
 
住商ファーマ(Addgeneの日本代理店)のホームページによると
2018年6月からは、Addgeneからの納品は一部商品を除き、精製プラスミドの状態で届く とあります。(Addgeneからの直送に関しては情報がありません)
 
繰り返しになりますが、プラスミド(DNA)であれば(カルタヘナ法上の)問題はありません。

ただ、万一、バクテリアのアガースタブの状態で届いた場合でも、

開封しなければ、運搬というカテゴリーに入るので、大臣確認には相当しません。開封してプレートにストリークしたり、培養開始した時点で事故になります。
 
従って、今回の事例に限らず、
「誤って届いた組換え生物体の対応は、そのまま保管(形状に合わせて)しておいてその後の対応を相談する」
ということでご周知、ご対応、宜しくお願いいたします。
 
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組換え生物等委員会
委員長  井原