代表幹事の挨拶
この度、全国大学等遺伝子研究支援施設連絡協議会(大学遺伝子協)の代表幹事を拝命しました田中伸和(広島大学)です。
平成23年より6年間代表幹事を務められた難波栄二先生は、遺伝子組換え実験に関する様々な問題に向けて積極的な取り組みをされ、大学遺伝子協の発展に努められてきました。具体的には、震災時の対応や、安全教育英語マニュアル、各種遺伝子組換え生物の拡散防止措置の例などの各種マニュアルや書式例などを示すことで、遺伝子組換え実験の安全管理の推進に貢献されてきました。さらに、「ゲノム編集技術を用いて作成した生物の取り扱いに関する声明・見解・方針」でゲノム編集生物の適切な取り扱い方について方向を示され、大学遺伝子協主催の安全研修会で議論を重ねることで多様な意見の集約に努められるなど多大な功績を残されています。このような難波前代表幹事のあとを受けて大学遺伝子協の活動を取りまとめ、さらなる発展を目指すという重責を考えますと身の引き締まる思いです。
現在、大学遺伝子協には遺伝子組換え実験を行っている国立大学法人、国立研究開発法人、私立大学、企業など70を超える機関・組織が会員として加入されており、今後さらに増えると思われます。カルタヘナ法の制定から10年以上たち、各機関においては当初の法令順守の意識が幾分薄れているように感じられます。また、ここ数年間で爆発的に発展したゲノム編集実験については、そろそろ安全管理方法も見直しの段階に来ていると思われます。これらの状況を踏まえて、遺伝子組換え実験の安全管理に携わっている方々に役立つ取り組みを行っていこうと考えております。
遺伝子組換え実験技術並びにゲノム編集技術が社会に役立つ技術として正しく認識されるよう大学遺伝子協は貢献していく所存ですので、会員の皆様には引き続きご協力ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
平成28年12月1日
代表幹事 田中伸和(広島大学自然科学研究支援開発センター)
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