遺伝子組換え動物の拡散防止措置の例
1.目的
マウス、ラット等の実験動物における遺伝子組換え動物の拡散防止措置については、国動協などによってかなり丁寧な安全管理基準が示されているが、それ以外の遺伝子組換え動物の安全管理の基準は曖昧なままで今日に至っている。昨今、バイオリソースの充実によって、多様な遺伝子組換え動物の入手は容易になっている一方、入手した研究者の手で適切な遺伝子組換え動物の安全管理、特に拡散防止措置が執られているかについては心配される状況となっている。また、動物種によっては、閉鎖系の飼育室や実験室ではなく、特定飼育区画を使用することもありうる。したがって、多様な遺伝子組換え動物については、それぞれに対して適切な拡散防止措置の要件を示す必要がでてきた。
大学遺伝子協では、遺伝子組換え動物を入手した研究者による適切な安全管理を可能とするために、各種動物のバイオリソースの関係者や専門家のご協力のもとに、それぞれの動物種に見合った拡散防止措置の例を示すことにした。
2.拡散防止措置の例の内容
(1) 動物の特性
(2) 拡散防止措置 (ハード要件:飼育室・実験室および設備等、排気、排水、開口部の措置、など)
(3) 拡散防止措置 (ソフト要件:飼育・実験時の遵守事項、組換え体の死滅方法、など)
(4) 拡散防止措置の例の図
(5) 具体例
各種遺伝子組換え動物の拡散防止措置の例
分類 | 動物種 | 作成協力(バイオリソース等) 敬称略 |
小型魚類 | (1)-1 メダカ (1)-2 ゼブラフィッシュ |
○基礎生物学研究所バイオリソース研究室・准教授・成瀬 清 (NBRPメダカ ) ○理化学研究所脳科学総合研究センター・チームリーダー・岡本 仁(NBRPゼブラフィッシュ) ○国立遺伝学研究所初期発生研究部門・教授・川上浩一 ○国立遺伝学研究所小型魚類開発研究室・准教授・酒井則良 ○岡崎バイオサイエンスセンター・准教授・東島眞一 ○名古屋大学生物機能開発利用研究センター・教授・日比正彦 |
昆虫 | (2) カイコ | ○九州大学大学院農学研究院・准教授・伴野 豊(NBRPカイコ) ○京都工芸繊維大学工芸科学研究科応用生物学部門・教授・森 肇 ○東京大学大学院農学研究科・教授・嶋田透 |
(3) ショウジョウバエ | ○京都工芸繊維大学・ショウジョウバエ遺伝資源センター ○国立遺伝学研究所・生物遺伝資源センター・無脊椎動物遺伝研究室 ○第3期NBRPショウジョウバエ運営委員会 |
|
鳥類 | (4) ニワトリ・ウズラ | ○広島大学大学院生物圏科学研究科・准教授・堀内浩幸 ○名古屋大学大学院生命農学研究科付属鳥類バイオサイエンス研究センター・教授・松田洋一(ニワトリバイオリソース) |
両生類 | (5) ツメガエル | ○広島大学大学院理学研究科付属両生類研究所・教授・矢尾板芳郎 (NBRPネッタイツメガエル) |
海産動物 | (6) カタユウレイボヤ | ○筑波大学下田臨海実験センター・准教授・笹倉靖徳 (NBRPカタユウレイボヤ・ウミシダ) |
線形動物 | (7) センチュウ | ○東京女子医科大学医学部・教授・三谷昌平 (NBRPセンチュウ) |
公開日:カイコ(2011.5.12)、カタユウレイボヤ(2011.10.4) 、メダカ(2011.10.13)、ツメガエル(2012.10.23)、センチュウ(2012.10.23)、ショウジョウバエ(2013.1.7)、ゼブラフィッシュ(2013.3.5)、ニワトリ・ウズラ(2013.11.28)
各種遺伝子組換えカビ・キノコ・コケの拡散防止措置の例
マニュアル&書式例